インプラントについて

インプラントってどんな治療?怖くないの?

インプラント とは、大きな意味では生体内に植え込む人工物を指します。歯科の領域では歯科インプラントとか口腔インプラントと呼ばれます。歯が抜けた部分の歯槽骨(歯を支えている骨)や顎骨に人工の歯冠(※歯は歯グキの中に埋まっている部分を歯根、歯グキから出ている部分を歯冠と呼びます)を製作して、なくなった歯が存在していた頃の環境を再現するという治療法です。

歯科インプラントは、長い歴史の中でさまざまなタイプが開発されてきました。そして、現在はチタンという安定した金属を母材にした歯根型(棒状あるいは砲弾上の形態にスクリューなどが形成されているタイプ)がすばらしい成績を発揮しています。

これによりインプラント治療は歯科の重要な治療の一つとして世界の歯科医師から認められています。この歯根型インプラントは、母材であるチタン表面の生体内安定性を高めるためにミクロの凹凸を付けたものや、生体材料であるセラミック系素材(ハイドロキシアパタイト※骨や歯の元となるカルシウムとリンでできた合成物質。骨と強固に生着します)で被覆したものなどさまざまなタイプが臨床に登場しています。

ほとんどのタイプは完成度が高いシステムになっていますので、患者さんの歯槽骨や顎の骨の状態、噛み合わせなどによって使い分けられています。現在臨床で応用されているインプラントは、歯根型(01・03図)がほとんどですが、その他にブレードタイプ(05図)と呼ばれる板状のインプラントや、骨膜下インプラント(06図)と呼ばれる馬の鞍状のインプラントを歯槽骨の上に直接乗せる方法もあります。

プレードタイプインプラントの場合は、その板状の形態から薄い歯槽骨などに適しているのですが、インプラントを植える溝を歯槽骨内に形成する手技が比較的複雑であるため、インプラントと骨とが理想的に結合しないケースもありました。

骨膜下インプラントは、インプラント体自体を個別に製作するため、一度口の中の粘膜を剥離して顎骨の型をとる必要があります。そしてインプラントが製作できたら再度粘膜を剥離して顎骨の上にインプラントを乗せて、粘膜でインプラントを覆うわけです。型取りに熟練が必要で、ときには手術が大がかりになる難点があります。

歯根型インプラントの植立手術の術式は、システム化されており手術といっても小手術で高齢の方でも十分に耐えられますので、安心です。

一般的には、まず植えるインプラントの直径に合わせた形成器具でインプラントを植えるためのホールを歯槽骨に形成します。そこにインプラントを各々のインプラントシステムが准奨する術式で無菌状態で植えたのち、棺えた部分の粘膜を縫合して植立手術は終了です。その後、インプラント周囲の骨がインプラントと結合する治癒期間を待って、インプラントの上に支台装置を取り付けて、セラミックスクラウンなどの上部構造を製作・装着して完成です。

症例によっては噛み合わせを調整するためや、審美的な形態を確認するためなどで、仮歯で経過を見ることもありますが、大きな流れは前述の通りです。